元横綱朝青龍のおいで、西序二段42枚目の豊昇龍(ほうしょうりゅう、19=立浪)が、生涯初? の優勝を喜んだ。

 6戦全勝同士で、勝てば序二段優勝が決まる佐々木山(26=木瀬)との一番は、おじ譲りの足腰の良さを生かした。幕下経験者を相手に右四つに組み「これで決めようと思っていた」(豊昇龍)右からの内掛け。これでは決まらなかったが、相手の体勢が崩れたのを見逃さず、右から強烈な下手投げを打ち豪快に勝負を決めた。

 千葉・日体大柏高を卒業し、今年初場所で初土俵。初めて番付にしこ名が載った3月の春場所では3番相撲で元横綱大鵬の孫・納谷と対戦し初黒星。これが、ここまで唯一のプロでの黒星で、今場所はリベンジを期していた。

 だが、納谷が先に敗れ対戦は実現せず。「納谷に(今場所)勝ちたかったけど(来場所は)三段目に上がるから、そこでやる」と、早くも来場所のリベンジをにらんだ。

 優勝は、もちろんうれしい。「アマ時代は全国では2位とか3位があったけど優勝はなかった。口から(言葉が)出ないほど、うれしいっす」。3日前に19歳の誕生日を迎えたこともあり「いいプレゼントを自分で(自分に)あげたかな」「あとで、親に電話で報告します」「おじさんにも帰ったら電話します」「あっ、高校の監督にも電話します」…と「口から(言葉が)出ない」のコメントとは裏腹に、速射砲のように言葉をスラスラ並べていた。