新十両の美ノ海(ちゅらのうみ、25=木瀬)が関取初白星を挙げた。

 翔猿との1番で、低い立ち合いから押し込んで、はたき込みを食いながら土俵を割った。軍配は翔猿に上がったが、物言いがつき、軍配差し違えで白星を手にした。

 「もう1番とる覚悟で待ってましたけど、とりあえず(白星)1個ですね」とホッとした笑みを浮かべた。「早めに(テレビ中継の)新十両紹介の前に(白星が)勝ててよかった。(黒星ばかりなら)幕下の映像で紹介されるでしょ?」と軽口が口を突いた。

 土俵に上がると、場内に指笛が響いた。「前から(応援で)鳴ってましたけど、曲になったら大変ですね」。沖縄県うるま市出身。当然、自分もできる。十両になり、しこ名を「木崎」から「美ノ海」へ、締め込みも青にかえた。同じ木瀬部屋で幕下の弟、木■海に「今までそうでもなかったけど、なんかいきなり沖縄感出てきたね」と言われ、笑ってしまった。

 沖縄県出身では、02年の琉鵬以来16年ぶりの関取。故郷への思いも、応援も力になる。「まだ足が全然出てない。今日も翔猿関が横に動いたら、負けてました」と白星にもおごりはない。「中日までにあと3、4個勝ちたいです」。勝ち越しへ、気持ちを引き締めていた。

 ※■は崎の大が立の下の横棒なし