13場所ぶりの関取復帰場所となった東十両13枚目の豊ノ島(35=時津風)が、この日も勝って無傷の3連勝とした。

同14枚目の志摩ノ海(29=木瀬)と対戦。差し手争いの攻防から、たまらず引いてしまい相手を呼び込んでしまう。だが、正面土俵でうまく左に回り込み距離をとると、得意の2本が入る。最後は右を差し込みながら左上手を引いて、万全の体勢から寄り切った。

動きに迷いがない。本人も「体が動いてますね。土俵際で離れたタイミングで冷静に2本、スッと入った。(引いた後も)すぐに立て直せたし動きは悪くない。これも自分らしい相撲で、いいんじゃないかなと思ってます」と振り返った。

初日から「思い切って取れている」の言葉が続く。一方で、この日の取材対応の表情からは多少の疲れが見て取れた。2年も続いた幕下時代は1場所7番で、連戦は最多でも2日連続だった。3日連続で本場所の相撲を取るのは、最後に関取として土俵に上がった16年5月の夏場所(東前頭7枚目)以来、約2年半ぶり。「疲れは(3日目という)早い段階で出てますよ。(幕下生活が)2年なんで体に染みついちゃってる。正直、リズムを取り戻すのも、あと2、3日すれば15日間(相撲を)取る体になってくるかな」とも。

そうは言いながら「体は動いているから、いいんじゃないですかね。これで3つ勝って(幕下以下なら勝ち越しに)リーチ…いや、まだまだだ」とジョークを飛ばす余裕も。

関取としての初日からの3連勝は、6年前の九州場所(西前頭6枚目で11勝4敗)以来というデータを聞かされると「やっぱり九州か。いいイメージで、星を伸ばしたいですね」と笑顔。「あと12番もある。疲れちゃった」と、柔和な笑みで最後のコメントを残しつつ、心地よい疲労感に包まれていた。