白鵬がまさかの2連敗を喫した。立ち合いで玉鷲の上体を起こし、右、左、右、左と張り手を4発。厳しい攻めで土俵際に追い込んだ。ところが、あと一押しで落とし穴だ。上体で押し出そうとしたところをいなされた。体が流れる。背後を取られ、必死で振り向いたが押し出された。

「勝負あったと思ってしまった。詰めが甘いね」。勝負を急いだか、と問われると「どうだろうね…」。勝てば13日目にも優勝が決まる可能性があったが、逆にトップに並ばれた。

小結御嶽海、関脇玉鷲と不覚を取った。07年名古屋場所の横綱昇進後、白鵬が関脇以下の力士に連敗したのは、昨年初場所(3日目=東前頭筆頭北勝富士、4日目=同2枚目嘉風)以来6度目。13日目は自力Vの可能性を残す貴景勝戦。「いい相撲を取るだけです」。圧倒的優位に見えた横綱が2日で追い込まれた。