かど番大関栃ノ心(31=春日野)が、西前頭3枚目正代(27=時津風)を上手投げで下し、6勝3敗とした。もろ差しを許し、苦しい体勢で投げの打ち合いになったが、左上手のみで投げ勝った。「最初は“いった”と思ったけど(左を)差されちゃって。でも、こっち(左上手)をつかんでたからね」と、持ち前の怪力相撲を振り返った。

正代は、すっかり苦手力士になっていた。初優勝した昨年初場所初日を最後に白星から遠ざかり、同年春場所から先場所まで1不戦敗を挟んで5連敗。「ずっと勝ってなかったからね。1年ぶりじゃない?」とホッとひと息だ。

かど番脱出まで、あと2勝とした。「これからでしょう。まだ横綱、大関とやってないからね」。今場所はまわしをとり、得意の型に持ち込む相撲が増えてきた。「それはそうだね」。大関に昇進した昨年名古屋場所からけが続きで、喪失気味だった自信を徐々に取り戻してきた。10日目は稽古場で歯が立たない大関豪栄道戦。白星をもぎ取れば、かど番脱出に大きく前進する。