西前頭9枚目勢(32=伊勢ノ海)が嘉風に寄り切られ、2日目から9連敗となった。場所前に左脚膝下が蜂窩(ほうか)織炎にかかり、サポーターで患部をカバー。激しい差し手争いで懸命に粘ったが、最後はその左脚で残る形になって、力尽きた。

支度部屋では「思うように体が動かないことほど、もどかしいことはないですね」とこぼした。患部はどす黒い紫色に変色。アキレス腱(けん)も痛めており、サポーターの着脱にも苦痛の声をもらすほど激しい痛みがある。連日、場所前と場所後に病院へ行き、点滴、膿(うみ)抜きを受ける。2、3日に1度は血液検査で菌が体に回っていないかチェックしている。

1勝9敗で終盤戦に入るのは、昨年秋場所以来5度目。過去4場所の番付はいずれも前頭上位だったが、今場所は西前頭9枚目とあって、さらに負けが込むようだと12年九州場所以来39場所守ってきた幕内から陥落する可能性もある。「病院の先生、車で送り迎えしてくれる人。周りが必死に応援してくださってます。幸せなことです」。気力だけが、勢を支えている。