海洋を1日に卒業した相撲の丸山竜也(18)が大相撲・鳴戸部屋入りの会見を29日、同校で開いた。会見には鳴戸親方(36=元大関琴欧洲)も出席した。

同部屋の暴力を含むいじめ問題が生じたため、入門は1場所遅れた。デビューは5月の夏場所の前相撲の土俵。148キロの巨体を生かした押し相撲で、出世街道をまっしぐらに突き進む。

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会見前の丸山は口をへの字に結んで、あふれる闘志を148キロの全身にため込んだ。「目標は十両以上。関取を目指して精進したい」と話して、思いを一気に吐き出した。好きな力士は突き押しが得意な嘉風(37=尾車部屋)。「立ち合いからのスピード。まわしにこだわらずに、どんどん前に行くのが好き」と自身も前へ、前へと電車道を突っ走る決意だった。

海洋では、ひと足先に同級生の大場健太(18)が大嶽部屋に入門した。丸山の鳴戸部屋入りはアクシデントのため遅れたが、元同僚には強烈なライバル心を見せる。「早く行かれた分、早く追いつき、追い越したい」。鳴戸部屋と大嶽部屋は、同門の二所ノ関一門だけに、対抗心は強い。「同期はたくさんいる」とターゲットは同年代全員に定めてもいた。

元大関・琴欧洲の鳴戸親方は「大相撲には180~90センチ、160~200キロの力士はいるが、170センチ台の関取も増えている」と言って、続けた。「まわしにこだわらずに前に出るのが大事。相手がイヤがって、はたき込んでも前に落ちない足腰を鍛えてほしい」。17年6月に海洋を訪問したときは、実際にまわしをつけて同校相撲部員に胸をかした。「大きな壁のように感じた。重かった。押せる気がしなかった」と丸山は当時を振り返る。大きな壁にも負けない押し相撲を今後、極めていく。

「部屋の事情で3月(場所前)に入門できなかった。みなさんの期待に応えられるように指導しますので、見守っていて下さい」と鳴戸親方は言った。丸山は、1日の卒業式を終えても卒業生でただ1人、選手寮に居残り。入門に備え、後輩と海洋で練習を続けてきた。会見後には、同親方と一緒に東京・墨田区の鳴戸部屋に入った。「誰にでも愛される力士を目指す」という目標の第1歩を力強く踏み出した。【涌井幹雄】

◆丸山竜也(まるやま・たつや)2000年(平12)9月9日生まれ。上越市出身。能生中-海洋出。大島小5年で、わんぱく相撲全国大会でベスト8。中学3年には主将を務め、東日本大会団体優勝。高校では国体16強など。173センチ、148キロ。血液型B。