大相撲夏場所(12日初日、東京・両国国技館)に向けて横綱鶴竜(33=井筒)が4日、東京・墨田区の時津風部屋での出稽古で調整した。

幕内屈指の圧力を誇る東前頭3枚目千代大龍(30=九重)と三番稽古を行い、計17番取って15勝と圧倒。相手の当たりを受け止め、出し投げやハズ押し、前ミツを取って一気に寄る相撲が多かった。「立ち合いはいいものがあったから良かった」と納得の表情。「あの体形にしてはいろいろやってくる。相撲がうまいからね」と、指名した理由も説明した。稽古を終えて、千代大龍は「当たっても力が伝わらなかった」を首をかしげた。その発言に対し、鶴竜は「相手がそう感じてくれたならいい感じかな」とうなずいた。

ちょうど1年前、昨年夏場所以来6度目の優勝を目指す。「コンスタントに巡業から体をつくってきたので」と体調は万全だが、4月の春巡業から間なく番付発表が行われ、休養も少ない。「番数を取りすぎずにやっていけたら」と、場所初日へ、ほどよい疲労感を逆算していた。