大相撲九重部屋の東前頭3枚目千代大龍(30)と東前頭17枚目千代翔馬(27)が10日、スイスの高級時計メーカー「フランク・ミュラー」と、江戸時代中期から300年の伝統を誇る技法「加賀友禅」がコラボレーションした、特製の染め抜き(着物)を贈呈された。

都内の部屋で、制作期間4カ月を要して完成したばかりの染め抜きを受け取った2人は、早速着用。フランク・ミュラーを象徴する独特な数字が踊り、九重部屋をイメージして千代大龍は紫色から藤色に、千代翔馬は濃い緑色から薄い緑色に、9つの色がグラデーションのように変化していくデザインだ。

贈呈した部屋の支援者が掛け合ったところ、フランク・ミュラーの国内代理店担当者、加賀友禅を手がける奥田染色の関係者が、いずれも故人で先代九重親方の元横綱千代の富士と親交があった縁で実現した。加賀友禅が海外ブランドに協力するのは初めてで、世界で2人しか着用していない歴史的にも価値のある一品。関係者は「値段はつけられない」というものの、加賀友禅は高価なものは1着1000万円程度になるという。千代大龍は「かっこいいですね。これを着て夏場所(12日初日、東京・両国国技館)は良い成績を残したいですね」と、活力にしていた。