尾上親方(元小結浜ノ嶋)のおい、東幕下4枚目竜虎(りゅうこう、20=尾上)が、佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)の長男で、祖父に元横綱琴桜を持つ同2枚目琴鎌谷を破り、4勝1敗で勝ち越しを決めた。

立ち合いから右四つと優位な体勢になり、さらに左を巻き替えてもろ差し、十分な体勢から寄り切った。

「僕は右四つで、と考えていたんですが、昨日、師匠(尾上親方)に『お前はもろ差しが一番強い。もろ差しを狙え』と言われて」と思い通りの取り口に声を弾ませた。

「鎌谷先輩とは高校時代に一緒に世界大会に行ったりしているし、今日は絶対に勝ちたかった」。熊本・文徳高出身の竜虎に対し、琴鎌谷は埼玉栄出身で1学年先輩。高2の時に全国体重別大会で敗れており、それ以来の対戦だった。

「竜虎」と言えば、オールドファンには響くしこ名だ。元小結で、引退後はタレント、俳優で活躍した竜虎さん。「師匠の父(自分の祖父)が知り合いだったそうですが、それで名前をつけたかどうかは…」と苦笑い。ただ「強く育つように、将来そのままプロで活躍できるように」との思いで命名されたそうで「すごくありがたいです」。しこ名でもある本名を、とても気に入っている。

残り2番の結果と周囲の星の動き次第で、来場所にも新十両の可能性は十分ある。17年春場所の序ノ口デビューから14場所目。待望の時は近づいている。