大相撲の西岩親方(42=元関脇若の里)が20日、引退を発表した巨人上原浩治投手との思い出を語った。

知り合ったのは2003年末。大関昇進がかかった九州場所を前に、昇進した場合は上原と新春対談をするという企画が日刊スポーツから提案された。

西岩親方 上原さんもOKしてくれたのですが、結果的に僕が昇進できなかった。企画はボツになったのですが、セッティングしてくれた記者さんが、せめて食事だけでもということで、12月に西麻布の叙々苑で食事をしました。僕と妻と、上原さん夫妻と記者さんとで。プロ入りまで苦労され、生き方が「雑草魂」。そういう話をいろいろしました。

幕内力士は、毎年夏に反物を作る。反物の「若の里」の文字は、上原投手が書いたものだった。

西岩親方 その次の年、反物を作るので書いてもらいました。10年以上、その字を使わせてもらいました。

若の里は39歳で引退した。

西岩親方 年齢が上がり、引退が近くなったころは、特に上原さんに励まされました。年が1つ上にもかかわらず、メジャーで頑張っていた。年上の人が頑張っていたから、自分もまだまだまだだと思えました。これは本人にも伝えたことがあります。上原さんが米国にいる時は、メールでやりとりしました。自分が引退した時は、特に伝えていなかったのですが、胡蝶蘭が届きました。驚きましたし、うれしかったです。

引退会見はテレビで見た。

西岩親方 チームに迷惑をかけてはいけないと、チームを第一に考えるあたりは、上原さんらしいなと思いました。「お疲れさまでした」という言葉ではありきたりになりますが、僕もまだやりたくて引退したので、通じるところはあると感じました。現役時代は本当に励まされました。今後はぜひ相撲を見にきていただきたいし、部屋にも来てもらいたいですね。