<とっておきメモ>

令和最初の本場所で、西前頭8枚目の朝乃山(25=高砂)が初優勝を飾った。昨年初場所の栃ノ心以来となる平幕優勝。富山県出身としては元横綱太刀山以来103年ぶり、三役経験がなく優勝したのは佐田の山(後の横綱)以来、58年ぶりという記録ずくめ。新時代到来を印象づける優勝となった。

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朝乃山は3兄弟で突出して大柄だ。生まれた時は3678グラム。最も大きかったが兄卓磨さん(30)弟尚也さん(22)と大差はなかった。だが現在では、朝乃山の187センチ、177キロに対し「兄は180センチで60~70キロ、弟は175センチで50~60キロ」(朝乃山)だという。父靖さん(61)は「よほど栄養を吸収しやすい体なのでしょう」と、特に大食漢の印象はなかった。

体が際立って強かったわけでもない。175センチ、90キロ程度で出た中3夏の全国都道府県中学生選手権で、左肘を脱臼骨折し全治3カ月。だが朝乃山は「あのケガがあったから今がある」と振り返る。手術後に富山商の練習に参加。左腕の筋力が戻りきる前に、左四つの浦山監督に鏡に映った形で四つ相撲を教わり、現在の右四つに行き着いた。