大相撲の大関貴景勝(22=千賀ノ浦)の関脇転落が決まった13日、師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)が、7月末から行われる夏巡業を初日から参加させない方針を示した。

師匠によると、貴景勝は14日に帰京して15日から都内で治療、リハビリに励む予定。28日から岐阜市での開催を皮切りに、夏巡業が始まるが、師匠は「最初から出る予定はない。治療して考える」とした。

貴景勝は同日に発表された名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)8日目の取組に入らず、2場所連続での負け越しが確定した。9月の秋場所で10勝以上を挙げれば大関に復帰できる。この日、同所で取材に応じた千賀ノ浦親方は関取衆と相撲を取れる状態になることを、出場における一つの目安としている。「(稽古の)貯金というものはない。常に押し相撲をどんどんやっていって、体をぶつけないといけない」。

大関昇進2場所での転落は現行制度となった69年名古屋場所以降で、00年名古屋場所の武双山(1場所で大関復帰)以来2人目。大関から降下するのは同制度以降で3月の春場所の栃ノ心以来、19人目(22例目)。

貴景勝は新大関で臨んだ5月の夏場所で負傷した。途中休場後に一度は再出場したが、大関以上では極めて珍しく再休場。今場所前は稽古再開後もペースが上がらず、全休の意向を示していた。