東前頭9枚目松鳳山(35=二所ノ関)が炎鵬の“リベンジ”をからくも退けた。先場所千秋楽に7勝7敗同士で対戦して上手投げで下した相手に、この日は左に回られながらしっかりついていき、ともに倒れながらも押し倒しを決めた。

「負けたと思ったんですよ。自分が思いっきり手を着いたんで。(炎鵬の)“右足が返っていてくれ”と…。そう思った瞬間に審判部長の顔を見たら、フツーの顔してて、ダメだと。でも、行司を見たら(軍配が)こっち向いてて」。

両者の素早い取り口が館内を沸かせた。多くの力士が炎鵬のスピードに舌を巻くが、松鳳山は違う。「自分がスピードNo.1と思ってますから。それに(炎鵬より)嘉風関の方がよっぽど速いですよ」。自信というより「自己暗示」と笑う。「でも、自分にそう思い込ませるのって大事でしょ? マイナスに考えるとろくなとことないじゃないですか」。35歳になっても、豊富な運動量と抜群のスタミナを誇る男が、第一線で活躍を続ける秘訣(ひけつ)を明かした。