西前頭14枚目の豊ノ島(36=時津風)が、5日目から5連敗を喫し、1勝8敗と負け越しが決まってしまった。

今場所初めて十両力士との対戦となった相手は、過去4度の対戦(幕下2、十両2)で全勝の西十両3枚目の若隆景(24=荒汐)。右から張って125キロと軽量の相手の出足を止めた。左右の動きにも対応し、相手と正対したが、得意の左を若隆景にうまく封じられ出足を止められた。押っつけで上体を伸ばされ、最後は苦しい体勢から押し出された。

16年初場所以来の幕内勝ち越しは、またもお預け。それ以上に痛手を負ったのは、右足のアキレス腱(けん)付近の痛みだ。「たぶん大丈夫とは思うけど、押し込んで踏ん張った時、足首にちょっと嫌な音がしたんでね。あれで力が抜けた感じになった」。場所前の稽古で右足首付近を痛め、満足に稽古できなかった。それをかばっているうちに「元々よくなかった。蓄積された古傷とか」と話す、膝も悪化させた。そして、この日のアクシデント。「軽い肉離れかもしれない。今のところ大丈夫っぽいけど、明日への影響がなければいいけどね…。たぶん大丈夫」と鼓舞するように話したが「明日になって(痛みが)でるかもしれない」と不安は隠せない。負け越したことは「これだけ(長く)やってれば負け越すこともある」と、さほど意に介さないが「納得いく相撲を取れていないのが一番のはがゆさ。楽しんでやりたいけど思うようにいかない」(豊ノ島)現状が、胸のつかえになっている。ここは何とか踏ん張りどころだ。