大相撲の大関高安(29=田子ノ浦)が、美人演歌歌手の杜このみ(30)との婚約判明から一夜明けた29日、祝福に次ぐ祝福を受けた。九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)に向けて福岡・大野城市の部屋で稽古を再開後、福岡市内に移動し、まずは十両以上の関取衆による力士会に参加。「いろんなお相撲さんに声を掛けてもらいました」と、照れ笑いを浮かべながら明かした。鶴竜、白鵬の両横綱にも声を掛けられたといい「(白鵬は)ビックリしていましたね」と笑った。

その後、福岡市役所と福岡県庁を鶴竜と、昨年の九州場所で優勝争った大関貴景勝らとともに表敬訪問した。福岡県庁では、原中副議長から「高安関は、ご結婚をされるということで、おめでとうございます」と、名指しで激励された。これに大曲副知事らが拍手で追随し、お祝いムード一色のなごやかな雰囲気となった。

高安は31日に福岡・大野城市で、杜とともに会見に臨む予定。前日29日は、相手の魅力など具体的なことは何も話さなかったが、この日は多くの報道陣に囲まれ「根がまじめで誠実な方」と、杜の人柄を表現した。

さらに「歌声にひかれた部分もあるか」と問われると「そうですね」と返し、まじめな表情から一転、目じりを下げた。高安も歌唱力には定評があり、加山雄三の歌謡曲「君といつまでも」が十八番。杜にささげるような歌詞でもあり、杜の前で歌ったことがあるか問われると「歌ったことはありますけど…」と、恥ずかしさをかき消すように、いよいよ大声を出して笑い出していた。

婚約が判明したことで「たくさんの方に激励の言葉をいただき、よりいっそう身の引き締まる思いです」と気持ちも新た。

この日の稽古では、九州場所で使用予定の新しい締め込みを初めて着けたが、色は従来の黒からエンジ色に変えた。新十両に昇進した10年当時に使った色の締め込みだが「気持ちも新たにやります。気を引き締めて」と、初心に帰って、好成績を目指す。