現役最年長関取の西十両8枚目豊ノ島(36=時津風)が、6勝7敗で再び黒星先行となってしまった。

新十両で東13枚目の琴勝峰(20=佐渡ケ嶽)と対戦。左からのかち上げで差しに行ったが、その差し手をうまく小手ではねのけられ、バランスを崩され横向きに。そのまま押し出された。前日12日目に連敗を「4」で止め、星を6勝6敗の五分に戻したが、再び黒星先行で負け越しの瀬戸際に立たされた。

20歳を相手に、関取最年長としては経験値の高さを示したかったところ。だが逆に“老練”だったのは、琴勝峰の方だったようで「もっと思い切ってグングン来るのかな、と思ったけど自分の方が気負いすぎてアレッて感じだった」と振り返った。

話はこの日、大関から陥落後に序二段まで番付を落としながら、関取復帰を確実にした幕下照ノ富士について及んだ。自分もアキレス腱(けん)の断裂から幕下まで落ち、2年かけて関取として土俵に戻ってきた。番付の落ち幅は比較できないが、一人前と呼ばれる「関取」と、幕下以下の力士との違いは痛いほど分かる。「並大抵の苦労じゃなかったと思う。つらかっただろうし、苦しみは分かる。あきらめない、という姿勢はこれからの人に影響を与えられると思う」。そう、しみじみとした口調で話すが、その照ノ富士とは来場所、16年春場所以来となる、約4年ぶりの対戦も予想される。「落ちた者同士、いい状態で当たりたいね」と新年に向けた活力にする。