大関陥落後、序二段から10場所ぶりに十両に復帰した西十両13枚目の照ノ富士(28=伊勢ケ浜)が、元横綱朝青龍のおいで東十両14枚目の豊昇龍(20=立浪)を下して初日から3連勝した。

立ち合いは張って出たが、自らの手つき不十分により仕切り直しに。「張り差しがバレたから向こうも考えてくると思って普通にいった」と2度目の立ち合いは、シンプルに真っすぐ当たってまわしを取りにいった。右を差してまわしを取り、左上手も取って盤石の体勢に。じりじりと土俵際に寄り、相手の投げに耐えて寄り倒しで勝利した。

右四つになってからは、余裕があるようにも見えたが「投げ、内掛け、外掛けがあるからそれに気をつけてゆっくりといった」と逆転の投げを警戒。ただ「その3つしかないことは分かっていたから焦ることはなかった。足をかけてきたら上半身でその逆側に回せばいいと理解していた」と頭の中で対策を練っていた。

同じモンゴル出身の豊昇龍とは、角界入り前だった豊昇龍が千葉・日体大柏高時に伊勢ケ浜部屋の合宿に参加するなどして交流があったという。「かわいい後輩です」と笑みを浮かべたが、土俵上では大関経験者として角界で生き残る厳しさを見せつけた。場所を追うごとに力強さも徐々に戻り、結果も出しているが「残り12日もあるよ」とまだまだ満足はしない。