大相撲の西前頭16枚目琴恵光(28=佐渡ケ嶽)が14日、日本相撲協会を通じて13日に新型コロナウイルス感染の影響で亡くなった高田川部屋所属の三段目力士、勝武士(しょうぶし)さん(本名・末武清孝=すえたけ・きよたか)への思いを語った。2人の初土俵は07年春場所。同期生の訃報に「正直驚きました。本当にショックです」と胸を痛めた。

勝武士さんは稽古熱心で知られ、琴恵光も「若い頃何度か稽古したことがあったけれど、とにかく真面目にやっていました」と振り返る。巡業などでは相撲の禁じ手などを面白おかしく実演する「初っ切り」を担当し、相撲ファンに親しまれた。「同期会などでは盛り上げ役でみんなを楽しませてくれて、人を喜ばせるのが好きだったと思います」。同期生の中でもムードメーカー的存在だったことを明かした。

佐渡ケ嶽部屋と高田川部屋は、同じ二所ノ関一門。琴恵光は「(自分が)幕内に上がったときに反物を作って渡したら、それをすぐに浴衣にして着てくれた。それがすごくうれしかった。優しい同期生です」。温かい人柄だった。

勝武士さんは先月8日に入院し、同月19日から集中治療室(ICU)での治療を続け、ウイルスと粘り強く戦った。「これからは、自分たち(同期生)が胸を張って土俵に上がっている姿を見守っていてほしい」と、天国の戦友に語りかけた。