終盤戦に突入した“大混戦場所”は、相星対決以外の2敗勢が全員白星を挙げ、トップは5人から4人となった。3人の3敗勢が1差で追走する。

大関貴景勝は宝富士に完勝で9勝を挙げてトップを守ったが、右肩付近を気にするしぐさを見せた。相手に左差しを許さず、1歩も引かない相撲内容だったが、押し出して土俵に倒れ込むと、なかなか立ち上がることができず、右肩付近がけいれんしているような動きが見られた。立ち上がるとその後は何事もなく、勝ち名乗りを受けて土俵下に降りた。残り4日間は上位戦。万全な状態で臨めるか。

大関昇進を目指す関脇正代も、大関経験者の高安を退けて9勝目を挙げた。三役で2場所連続の2桁白星に王手。悲願の初優勝に向けて突き進む。

初日から3連敗を喫した大関朝乃山は隠岐の海を上手投げで下し、4日目からの連勝を8に伸ばして勝ち越しを決めた。3敗を守って優勝争いに食らいつく。

同じく3敗で2場所連続優勝を目指す照ノ富士は、妙義龍を寄り切って勝ち越しを決めた。序二段まで番付を落とした大関経験者は、来場所の三役復帰にも大きく前進した。

新入幕の翔猿は阿武咲との2敗対決を制した。幕内3場所目の25歳、若隆景も千代大龍を下して9勝2敗とした。

両横綱が初日から休場する異例の場所は、残り4日間で2敗が貴景勝、正代、若隆景、翔猿、3敗が朝乃山、照ノ富士、阿武咲となった。