新幕下の西幕下41枚目深井(23=高砂)が、6番相撲で勝ち越しを決めた。

元中学横綱の17歳、西幕下44枚目吉井を問題にしなかった。立ち合いからもろ手で突き放すと、土俵際で右四つに。下手投げで振り回し、最後はすくい投げで土俵下に転がした。「前に出て相手を圧倒できればいいかなという感じだった」と、思い描いていた通りの一番だった。

東洋大4年時の昨年11月の学生選手権で個人8強に入り、春場所で三段目100枚目格付け出しでデビューした。7月場所は7戦全勝で三段目優勝。新幕下での勝ち越しについては「一安心です」と淡々としていた。

部屋には最高のお手本がいる。理想の相撲は兄弟子の大関朝乃山で「立ち合いのスピードと重さ、相手を圧倒して勝っている。目標としている」と尊敬のまなざしを向けた。学生出身で三段目100枚目格付け出しデビューは朝乃山と同じ。新幕下場所で5勝目を目指す高砂部屋のホープは「勝ち越しをしたので、最後は思い切り相撲を取りたい」と意気込んだ。