西幕下筆頭常幸龍(32=木瀬)が、西十両14枚目北はり磨(34=山響)を破って勝ち越しを決めた。19年初場所以来となる十両復帰が濃厚となった。

立ち合いすぐに、右で北はり磨の頭を抱えるようにしながら、左を深く差した。締め込みの結び目をつかむと、体勢を崩して半身になった相手に一気に圧力をかけて送り出した。一番相撲から3連敗し、後がない状況から4連勝。「ちょっと諦めている所もあったけど、師匠から『諦めるな』と言われたり、みんなからの心配の声もあった」と周囲の励ましに奮起した。

家族の支えもあった。「3連敗した時にお守りを買ってくれた。それをまわしに入れるようになってから4連勝した」という。自宅では幕内の取組をテレビで観るのが日課。その際、2歳の次男日彩(ひいろ)君から「パパどこ?」と言われるという。「寂しいというか『待ってろよ』という感じになる」。ここまで多くのケガを経験してきたが、その度に家族や周囲の人に励まされて土俵に上がってきた。「本当にみんなに支えてもらって感謝しかない。歳もとったけど、もっと頑張って上を目指したい」と話した。

※北はり磨のはりは石ヘンに番