大相撲11月場所(8日初日、東京・両国国技館)で十両陥落が決定的な関取最年長の琴奨菊(36=佐渡ケ嶽)が20日、現役続行の決意を語った。

千葉・松戸市の部屋で稽古後「引退した方がこのプレッシャーと努力の継続から外れて、体の負担的にも楽だけど、そこじゃない。勝てば上がれるし、やり残しなく納得して終わりたい」と語り、15年在位した幕内陥落が確実となった秋場所後、初めて再起への思いを口にした。

秋場所は左ふくらはぎを負傷した影響もあり2勝止まりだった。患部の状態は「100と言いたいけど、ちょっと冷静に気持ちを抑えて90ぐらい」。この日も四股を踏む動作はゆっくりで、ぶつかり稽古で胸を出す際は黒いサポーターを着用。それでも「苦しいときにこそ自分の本質が出て、立ち向かえているのも自分の本質」と、復活に向けて気持ちは前向きだ。

師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)も「力はまだまだあるし、出し切って終わるのが一番いい」と背中を押す。歴代6位の幕内通算718勝を誇る大関経験者は「自分の中で可能性を感じるからやっている。気持ちは無限」と、自らを奮い立たせた。【佐藤礼征】