背水の陣となる大相撲初場所(1月10日初日、東京・両国国技館)への出場が注目される横綱鶴竜(35=陸奥)が5日、報道陣の電話取材に応じ、新型コロナに感染したモンゴル出身で同郷の横綱白鵬(35=宮城野)への思いなどを語った。

年末は部屋の幕内力士・霧馬山と相撲を取る稽古を行ったが、年明けからはしていない。この日も若い衆に胸を出す程度にとどめ、初場所出場に関しては従来通りの姿勢を示し「(最終判断を下す7日まで)あと2日、しっかり見て判断したいと思う。時間は待ってくれないので」と話した。

白鵬の感染は、電話取材に応じる前に知ったという。「ちょっとたいへんだなと思うけど、とにかく気を付けてやらないと」と話し、出場すれば1人横綱になることには「一層というか、しっかり結果を残さないといけないと思う。家の中でも腰が冷えないように腹巻きして暖かい格好をしている。鼻が詰まって頭がボーッとしてくるから暖房は嫌いなんで」と体調管理には細心の注意を払っている。

白鵬同様、11月場所後に横綱審議委員会から「注意」の決議がなされた。文字どおり背水の陣となるが、日本国籍取得で年寄名跡取得の資格を得て、引退後の身の振り方に心配はなくなった。家族についても将来的に「(日本国籍に)なると思います」と精神的な支えにも言及。「家族だけじゃなく、応援してくれるファンの方々や、いろいろな方に声をかけてもらっている。その気持ちに応えたい思いはある」と心機一転、戦いの場に向かう。