東十両8枚目剣翔(29=追手風)が、不戦勝により十両優勝を果たした。対戦相手だった東十両13枚目勢(34=伊勢ノ海)が休場。

部屋を出発する前に勢の休場を知ったといい「僕自身初めての不戦勝でした。不思議な感じです。複雑な気持ちですけどうれしいです」と率直な心境を明かした。

新型コロナウイルスの影響により、今場所の十両は28人中9人が全休した。同部屋の大奄美と大翔丸との本割での対戦はないため、対戦の可能性がある力士は16人に絞られていた。「普段は28人もいるから誰と当たるとか誰と当たらないとか考えるけど、今場所はほとんど総当たり。誰とやるかとかを考えずにやれたのがプラスだった」と話した。

同部屋の大栄翔が、幕内優勝へ王手をかけているだけに「幕内優勝とは格が違うけど、すごく刺激になった」と気合が入っていた。春場所での再入幕の可能性があり、「優勝もうれしいけど幕内に戻りたい気持ちが強い。戻れたら新入幕の気持ちで思い切り相撲を取りたい」を意気込んだ。