1月の大相撲初場所で初優勝を果たした大栄翔(27=追手風)が1日、春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)に向けた稽古再開後、報道陣の電話取材に応じた。

初場所後、1週間の稽古休み期間中は、やはり「いろいろとあったので、場所(後の)休み感はなかった」と吐露した。うれしい悲鳴のスケジュールに追われたためだが「ありがたいことです」。前日1月31日には地元の埼玉・朝霞に帰省し、地元テレビ局の取材に応じ、後援会関係者と食事もしたという。実家には戻らなかったが、テレビ局では母や「一緒に戯れました(笑い)」という愛犬チロルくんとも再会。「駅にも横断幕を出してもらい、市役所にも幕を下げてもらった。あらためて地元でも盛り上がってもらって良かった、うれしいという感じ」と、つかの間の故郷で過ごした時間の中で、あらためて優勝の余韻もかみしめたようだ。3日には朝霞市役所を表敬訪問する予定も入っているという。

優勝を決めた初場所千秋楽以来、8日ぶりにまわしを締めたこの日の稽古始めは、四股、てっぽう、ぶつかり稽古と基礎運動で汗を流した。「しっかり今まで通りの稽古をして、自分の相撲を取れるように、しっかり体を作りたい」と、昨年9月の秋場所以来の三役復帰が濃厚な春場所を見据えた。新型コロナウイルスの影響を受け、例年の大阪開催でなく東京開催になったことには「大阪場所でもいい相撲を見せて、とたくさんの方に言ってもらっていたので、地方でやりたかった気持ちもありますが、しっかりテレビで見ていただけるように頑張りたい」と話した。

優勝力士として注目されるが「向かっていく気持ち、挑戦者の気持ちで相撲を取れればいい。(研究されても)厳しい相撲を取れるように、稽古場からやっていきたい」と守りの姿勢は見せない。三役復帰後の次なる期待は当然、その上の大関ということになるが「まずは関脇で1度も勝ち越したことがない。(勝ち越さないことには)そういう話にならない。安定した成績を残してから(大関を)目指したい」と、しっかり足元を見詰めた。