東前頭2枚目の北勝富士が、連日の血まみれ激闘で大関を連破した。4日目の正代に続き、この日は貴景勝を押し倒した。

「一気に持っていかれないよう辛抱して下から下からがよかった」。前日に負傷した左目上から鮮血が流れた。

大流血の前日は取組後、相撲診療所に直行した。しかし、力士たるものけがの詳細など口にしない。治療内容を聞かれたが「特に。大丈夫です。こんなんで休場してられませんから」。この日、再びの出血にも「当たる場所なんでしょうがない」と言い放った。

1年前の春場所は小結で4勝11敗と大負けした悔しさがある。幕内上位に定着も、突き抜けられない状況から、ひたすら自身のとるべき相撲を見つめてきた。「今場所は体が動いてくれている。1日1日、けがしないよう頑張ります」。三役復帰へ、磨いた精神力で混戦場所を駆け抜ける。