人気業師同士の一番は、先輩業師に軍配が上がった。

東十両7枚目宇良(28=木瀬)と、東十両4枚目炎鵬(26=宮城野)との一番。立ち合いから探るかのように、互いに頭を下げながらぶつかった。中に入り込もうとする炎鵬に対し、宇良は中に入らせまいと腕を伸ばして対抗。土俵際で足を滑らせて体勢を崩しかけたが何とかこらえ、引いた炎鵬についていって押し出した。

しかし、土俵際で炎鵬に右腕を取られる形となり、ほぼ同時に土俵を割った。軍備は宇良に上がるも、物言い。約1分30秒に及ぶ協議の結果、軍配通りに宇良の勝ちとなった。「しっかり見て落ちたので危ないところがあったかな? という感じだった」と余裕があった。

179センチ、143キロの宇良も、168センチ、98キロの炎鵬との一番は未知の経験だった。「正面に立つと違った意味で怖かった」と独特な雰囲気を感じたという。ゆえに、物言いがついた際には「もう1回なんてなったら気持ちが持たなかった。あそこで勝負が決まって良かったです」と安堵(あんど)したという。「雰囲気もあったので自分もそういうオーラを出せるようにしたいですね」と振り返った。

1敗で単独トップだった炎鵬を破り、2敗で並んだ。初の十両優勝に向けては「優勝争いに残ると言われてきたけど、しっかりと期待を裏切ってきた。自分は優勝できるとは思わないですね」と自虐的に言った。「本当に一生懸命やるだけです」と気合を入れ直した。

宇良-炎鵬、業師対決は物言いの末に/写真リプレー