大相撲春場所限りで現役を引退した元十両華王錦(42)が30日、東京・墨田区の旧東関部屋で断髪式を行った。

断髪式には現役引退時の師匠だった東関親方(元小結高見盛)や同じ高砂一門の高砂親方(元関脇朝赤龍)、同じ秋田県出身の押尾川親方(元関脇豪風)ら約130人が出席した。現役力士は出席していない。止めばさみは、入門時の師匠で12代東関親方の渡辺大五郎氏(76=元関脇高見山)が入れた。断髪式は稽古場ではなく、2階の大部屋で開催。新型コロナウイルス感染対策として人の密集を避けるため、3回に分けて出席者を入れ替えながら進行した。

華王錦は「思っていた以上に来ていただいてうれしい限り」と笑顔。今後の活動は未定だが、アマチュア相撲などの指導に携わる意向を示している。3月の引退時から「食べる量を減らした」と、体重は約30キロ減の130キロ。「選手としては難しいけど、胸を出したりはできるので」と、指導者として再出発するために、新たに黒の稽古まわしを購入したという。

「ジェシー」の愛称で人気だった渡辺氏にとっては、華王錦が最後の弟子。「寂しいね。彼は相撲が好きで、相撲は取れないけど、これから教えるのを中心と言っていた」と今後の活躍を期待した。