東十両5枚目炎鵬(26=宮城野)が、脳振とうを起こして不戦敗となった。立ち合いからすぐに、東十両6枚目貴源治のアッパー気味の突っ張りを何発も顔面に受けた。それでもひるまず前に出たが捕まり、土俵際に後退したが体を反らして粘った。土俵下に突き落とされたが、貴源治が勢い余って土俵外に飛び出る形となり、軍配は炎鵬。立ち上がった際に炎鵬は、何度もあご付近を手で押さえて気にするそぶりを見せた。

しかし、物言いがつき、協議の結果、同体取り直しとなった。先に貴源治が土俵に上がり、続いて炎鵬が土俵に上がろうとした。すると、赤房下にいた枝川審判員(元前頭蒼樹山)が慌てる様子で近くの呼び出しに声を掛け、声を掛けられた呼び出しが高田川審判長(元関脇安芸乃島)のもとへ駆け寄った。すると再び、両力士は土俵下へ。枝川審判員に声を掛けられた炎鵬は、ややつらそうな表情を浮かべながらも何かを訴えるそぶりを見せた。

再び土俵上に審判員が集まった。協議を終えた後、高田川審判長は場内アナウンスで「ただいまの協議についての説明です。炎鵬が脳振とうを起こしているため、貴源治の取組が取れないとみなし、貴源治の勝ちとします」と説明した。それに対して炎鵬は、不戦敗の現実を受け止めることができなかったのか、なかなか土俵に上がらず。それでも協議の結果は覆らず、諦めきれない表情を浮かべながら土俵に上がった。決まり手は「炎鵬が負傷により取組続行不可能のため貴源治の不戦勝であります」とアナウンスされた。