1敗で優勝争いのトップを走る横綱照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が、過去9勝12敗とやや苦手にしている小結高安(31=田子ノ浦)に苦戦を強いられながら、最後は勢い余って土俵下まで吹っ飛ばす相撲で、難敵を寄り切り単独トップの座を守った。

左四つの半身で構える高安について、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「高安は半身だけど自信満々のようだ。余裕というか逆に照ノ富士が頭をつけている」と途中経過で両者の構えを分析。それでも勝負が決まると「合口が悪いからか(照ノ富士は)頭から行った。だいぶ警戒していたんだろう」と新横綱の心理を読み解いた。

さらに優勝争いについて「やっぱり照ノ富士(中心)でしょう」と主役の名を挙げた上で、その相撲の盤石ぶりについても「今日の相撲にしても手ごわい相手に、きっちり勝っている。胸を出して頭を上げたら投げが(高安には)ある。相手の形にならないように、自分の流れで取って勝っている」と解説し、残り4日の土俵についても「警戒して安全に行っている。この流れで行くのではないか」と新横綱の冷静さも察していた。