日本相撲協会は24日、初場所(来年1月9日初日、東京・両国国技館)の番付を発表し、若元春(28=荒汐)の新入幕を決めた。弟の若隆景とともに、史上12組目の兄弟幕内。オンライン形式の会見に臨んだ若元春は「一番下(序ノ口)から何とかここまで上がってこれたのでうれしい」と笑顔を見せた。

「大波3兄弟」の次男で、186センチ、138キロの体格を生かした左四つを武器に、11月の九州場所では西十両筆頭で11勝を挙げた。念願の幕内だが「不安8割くらい。自分の実力が通じるのか…。十両で足踏みして通用するか自信がない」と“ネガティブ”な一面も。先に新入幕、新三役と番付を上げた弟の若隆景が大きな刺激で「弟の背中を見てここまできた。一生懸命追いかけてじゃないけど、追い抜けるように頑張りたい」と宣言した。

昨年11月22日の「いい夫婦の日」に交際期間約3年という年上女性と結婚した。「周りからも結婚して成績伸びて良かったんじゃないかと言われている」と、伴侶の存在も躍進を支えた。

新たな化粧まわしも贈られた。九州場所後に地元福島に帰省し、後援会から祖父で元小結若葉山の化粧まわしを再現したものが贈呈されるという。「獅子舞のデザインです。もともと実家のちゃんこ屋に飾ってあったもので、物心ついたときからその化粧まわしを見て、あこがれていた。完全に再現とはいかなかったみたいだが、近づけていただいた。(天国から)見守ってくれていると思うので、ちょっとはかっこいいところを見せたい」。新年最初の場所で、成長した姿を見せる。