大相撲初場所を13勝2敗で優勝し、事実上の大関昇進を決めた関脇御嶽海(29=出羽海)の地元長野県上松(あげまつ)町では、江戸時代の強豪力士、雷電為右衛門以来227年ぶりの県出身大関誕生をたたえる企画が盛りだくさんだ。

24日、町役場庁舎前には早朝に懸垂幕が掲げられ、大屋誠町長は「26日に大関が正式決定したら祝砲を打ち上げます」。約4000人の町民に吉報を伝える花火も用意する。「コロナでなかなか人を集めることは難しいけれども、幼少期からを振り返りながら、彼がいただいてきた表彰状や写真などを展示して見ていただきたい」と“御嶽海歴史館”新設の意向も固めた。今年は同町誕生100周年の記念イヤーで、秋には御嶽海を招待しての式典も予定している。

同町長は「雷電は相撲界にとって歴史上の神様のような存在。コロナで暗い話題ばかりだったけれど、明るいニュースを届けてくれた。自分に強く、相撲に厳しく、優しい笑顔の大関でいてほしい」と感謝した。

上松町観光協会ではオンラインショップでの商品購入の優勝記念特典として「御嶽海しおり」の寄贈を開始。担当者は「関取のおかげで売れ行きも増えています。特に町のマスコット『上松太郎』のぬいぐるみ」と相乗効果も生まれている。JR上松駅近くのトキワ商店街を中心に、数多くの商店や飲食店で「おめでとうセール」も準備中だ。【鎌田直秀】