横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)が18日、日本相撲協会に「右踵骨骨挫傷、左変形性膝関節症により約1カ月の加療を要する見込み」との診断書を提出して休場した。休場は東前頭筆頭だった20年秋場所以来12度目で、新横綱だった昨年秋場所以降では初めてとなった。今場所の十両以上の休場者は2人目。2場所ぶり7度目の優勝を目指した今場所は、5日目を終えて2個の金星を許すなど不振だった。

報道陣の電話取材に応じた師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)によると、玉鷲に敗れて2敗目を喫した前日17日夜に本人から休場の申し出があった。右かかとは先場所終盤から痛めていた箇所。師匠は「今の状態ではいい相撲取れない、もうかかとと膝が限界と。私から見たら、あのケガで普通に相撲を取っていること自体が大変。ここで無理して悪化したら、もっとひどいことになる」と、弟子の意思を尊重した。

場所前の2月上旬には新型コロナウイルスに感染した。ノドの痛みや10日間の隔離期間もあり、調整遅れが懸念されていた。手術の予定はなく、夏場所(5月8日初日、東京・両国国技館)出場に向けて治療を進めていくという。