大関貴景勝(25=常盤山)は、白星を先行させて序盤5日間を終えた。同学年で、アマチュア時代はライバルだった東前頭5枚目の阿武咲を押し倒して3勝目を挙げた。立ち合いから突き放し、右おっつけで辛抱する相手をいなしで崩して主導権。休む間もなく押しに転じた。「あまり覚えてないけど、集中していたんじゃないか。1日1番なので、また明日相撲に集中して、頑張りたい」。今場所初の連勝で、中盤戦以降の復調を予感させた。

土俵入りでは、自身がCMキャラクターを務めるヤクルトが贈ってくれた化粧まわしを締めている。同化粧まわしの贈呈式を兼ねた19年12月のイベントでは、11日未明に61歳で急死した、お笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」の上島竜兵さんと共演した。

母校や地元後援会、企業など、大関にもなれば複数の化粧まわしを持つ。その中で、前日11日から同化粧まわしの使用を選んだ。その思いについて貴景勝は「イベントでもご一緒させていただいたので、自分も自分のやるべきことをやろうという気持ちです」と説明。特別な思いを込めて、土俵に上がっている。【佐藤礼征】