大相撲の大関正代(30=時津風)が30日、10月23日に都内のホテルで大関昇進パーティーを開くと明かした。所属する時津風部屋での稽古後に取材に応じ、「やっとできることになった」と昇進から約2年遅れでの開催が決まり、ほっとしていた。1000人収容する会場を抑え、関係者700人を招待する予定という。秋場所(9月11日初日、東京・両国国技館)で順調に白星を積み上げ、場所後に控えるパーティーに花を添えたいと意欲的だ。

初優勝を果たした20年秋場所後に新大関に昇進。そこからはや2年。新型コロナウイルスの影響でなかなか実施できなかった昇進パーティーが、ついに10月下旬に開催されることが決まった。「大関でいるうちにやれたらいいなと思っていた」という正代。口ぶりからは、うれしさ以上に安堵(あんど)感でいっぱいだった。

この2年を思い返すと「何年かの中では、一番長かったような気がします」。

大関としてプレッシャーに加え、感染拡大する新型コロナウイルスの影響に悩まされる日々。先場所前からは出稽古、そして場所後には巡業が再開された。徐々にコロナ前に戻りつつある日常を感じながらも、なおも「早く落ち着いたら良いです」と切に願うことをやめない。

自身は夏巡業を終えても帰省はせずパーティーの準備に追われたが、秋場所に向けて体を動かすことはやめなかった。24日からは相撲を取る稽古も再開。出稽古期間には同部屋に訪れた小結の逸ノ城、平幕の錦木や北勝富士らと胸を合わせた。

この日は平幕の豊山、幕下の吉井と時疾風との申し合い稽古を行い、10勝2敗。豊山にこそ2敗を喫したが、十両昇進を狙う期待の2人には全勝。今朝は寝起きが悪くあまり体調が優れないという中でも、そこは大関。立ち合いで馬力負けする様子もあったが、しっかり盛り返して土俵は割らせない。攻防ある相撲を展開を見せるなど、限られた時間の中で精力的に汗を流していた。

昇進パーティーが決まったことを弾みに、まずは目の前の秋場所へ向けて調子を上げていく。「(秋場所は)かど番にならないように勝ち越して、優勝争いに関われるぐらいにしていきたいです」と意気込みを見せた。