大相撲春場所(12日初日、エディオンアリーナ大阪)で関脇の豊昇龍(23=立浪)が5日、大阪市の住吉大社にある立浪部屋で稽古し、新関脇で同じモンゴル出身の霧馬山(26=陸奥)に対抗心を見せた。

幕内での対戦成績では豊昇龍が6勝5敗と1歩リードしているが、実力者同士のということもあり拮抗(きっこう)。霧馬山から番付発表会見で負けたくない相手として名指しされたことについて「同じ関脇の地位だから、俺も負けたくないね」と闘志を燃やした。

3歳年上の霧馬山とは巡業先ではよく一緒にいるほど仲が良いが、代わって稽古場では互いの意地と意地をバチバチにぶつけ合う。その出会いは少年時代。モンゴルにいた時に同じ柔道クラブに所属した。「(柔道クラブでは)6、7歳くらいの時に始めて、(霧馬山は)その1年後に入ってきた。柔道の経験は俺の方が先輩ですよ」とニヤリ。とはいえ、当時は「(柔道場に)稽古しにいって遊んでばっかりだったから、どっちが強いか分からない」。切磋琢磨(せっさたくま)する間柄ではあることは変わりないが、やはり負けたくない。柔道も「やっぱり俺の方が強いかな(笑)」と、負けず嫌いな一面をのぞかせた。

この日の申し合い稽古では平幕の明生、十両の天空海らと取って18勝5敗。先場所中に痛めた左足首も回復しつつあるようだ。「(痛みは)ありますけど、動けてるんで大丈夫」と不安はない。ここまで順調な仕上がりを見せる。ライバルに負けたくない。春の大阪でも、闘志むき出しの豊昇龍が見られそうだ。【平山連】