昭和以降最速の所要1場所で新十両に昇進した西十両14枚目落合(19=宮城野)が、志摩ノ海を肩すかしで破った。6連勝で7勝1敗と勝ち越し王手となった。「明日も明日やるベきことをやれば大丈夫」と力を込めた。

うまさが出た。志摩ノ海の強烈なおっつけで攻め手を封じられるとみるや、左足で相手の右足を払い、バランスを崩したところ鮮やかに肩すかしを決めた。落合は「全然良くはないんですけど、あーいう中でできることをした。下から下からというイメージでいった。志摩ノ海関のおっつけが強くて、そういう相撲になりました」と振り返った。

前日の栃武蔵との取組後には差し手の左肘を押さえる様子を見せ、この日は周辺にテーピングを巻いて臨んでいた。師匠の宮城野親方(元横綱白鵬)から「しっかりケアして頑張れ」と叱咤(しった)を受け、「土俵に上がるときは覚悟、腹を決めて上がっているので、不安は一切ないです」。その期待に応え、見事に白星をつかんだ。

同日には母校の鳥取城北高が春の選抜高校野球(センバツ)1回戦に登場。東邦(愛知)にあと1歩及ばず3-6で敗れた試合を観て力をもらった。「選手たちがすごく頑張った。城北高校という一つのチームだと思っている。やっている競技は違うけど、そういうところに『城北魂』がある」と話した。

落合は1月の初場所で幕下15枚目格付け出しデビューし、7戦全勝で幕下優勝。今場所は2日目に同じ新十両の玉正鳳戦こそ敗れたが、順調に勝ち星を積み重ね、朝乃山、逸ノ城という幕内優勝経験者らとともに先頭争いに加わっている。

地元鳥取をはじめ、周囲の支えを一段と感じ、連勝を伸ばした。“令和の怪物”は、場所中も日ごとに成長している。