2度目の優勝に王手をかけていた小結大栄翔(29=追手風)は悔しい「V逸」となった。

1差をつけての関脇霧馬山との決戦。「気合入れていったんですけど、土俵際の甘さが自分の弱いところ」と振り返る。

本割、優勝決定戦とも同じような流れだった。本割は大栄翔が立ち合いから突き押しで攻め込み、霧馬山は俵に詰まってのけぞる。あと一撃のところで、突き落としを食らった。

優勝決定戦も大栄翔が攻めた。しかし、土俵際は同じく突き落とし。物言いがつくも軍配通りの決着。「自分の相撲で負けたんで仕方ないです」と言いつつ、「悔しい」と本音がもれた。

2度目の技能賞を獲得した。「押し相撲はなかなかとれない。評価してもらったのは自信になる。突き押しの技術を磨いていきたい」と悔しさの中で励みになった。

先場所は西前頭筆頭で10勝しており、来場所は霧馬山とともに大関とりのチャンスになる可能性がある。「今場所はいい相撲が多かった。来場所も15日間通してとれるようにしたい」と話し、「悔しい気持ちを忘れず、しっかり稽古していきたい」。昇進争いで負けるわけにはいかない。

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