横綱照ノ富士(31=伊勢ケ浜)が、昨年名古屋場所以来、5場所ぶりに実現した横綱-大関戦を制し、14勝1敗の好成績で優勝に花を添えた。

ここまで5勝4敗と拮抗(きっこう)していた大関貴景勝(26=常盤山)と対戦。突っ張りでなく、もろ差し狙いで向かってきた大関に、少しばかり意表を突かれる格好となったが、冷静に対応し、最後は押し出し14勝目を挙げた。

報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、まず敗れた貴景勝について言及。「今、持っている力を発揮した」と評価。来場所に向けて「体調を治して、もっといい相撲を取れるように」と注文し、最後は照ノ富士との番付上位対決が5場所ぶりに実現したこともあって「締まった場所になった」と責務を全うした1横綱1大関をほめた。

取組前にも、2人の健闘ぶりについて語った。「体調面で難しいが1横綱、1大関ともによくやっている。照ノ富士は(復帰の今場所で)結果を残したけど、貴景勝も1月(の初場所)に(優勝という)結果を残して踏ん張っている。今の精いっぱいの自分を出し切ることが大事」。さらに照ノ富士について「これだけ休んで出てきて優勝。なかなか大変なことだ。1人しか(横綱が)いないプレッシャーの中、休むのも勇気がいるんです。周りは(休場して)楽だな、と思うかもしれないけど、逆にきつい。そんな中、よく我慢して(土俵に)帰ってきて、14日目に優勝。最高の優勝じゃないかな」と、自身も体験した3場所以上の全休明けからの優勝に、賛辞を送っていた。

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