日本相撲協会は31日、東京・両国国技館で大相撲名古屋場所(7月9日初日、ドルフィンズアリーナ)の番付編成会議と臨時理事会を開催し、関脇霧馬山(27=陸奥)の大関昇進を全会一致で承認した。この後、協会から送られた使者が東京・墨田区の陸奥海部屋を訪れ、霧馬山は昇進伝達式に臨む。

伝達式で最も注目されるのが口上だ。貴ノ花(後の横綱貴乃花)の「不撓(ふとう)不屈」、若ノ花(後の横綱3代目若乃花)の「一意専心」、さらに琴奨菊の「万里一空」や正代の「至誠一貫」など、それまで聞き慣れない四字熟語も、用いられることがあった。

関係者によると、モンゴル出身で実直な人柄の霧馬山は、飾らない言葉で口上を述べる見通しだという。師匠の陸奥親方(元大関霧島)が、大関昇進の際に用いた「一生懸命」を継承するかどうか。平成以降では霧島のほか、朝青龍、朝乃山も用いたこのフレーズを盛り込むかも注目される。

霧馬山は、今年の初場所を11勝4敗、春場所では12勝3敗で初優勝を飾り、大関とりの夏場所は11勝4敗だった。この3場所で合計34勝を挙げ、大関昇進の目安とされる「三役で直近3場所33勝」を上回った。三役は計6場所で通過。モンゴル出身力士では15年夏場所後の照ノ富士以来6人目となる。

◆霧馬山鐵雄(きりばやま・てつお)本名ビャンブチュルン・ハグワスレン。1996年4月24日、モンゴル・ドルノドゥ生まれ。体験入門を経て15年夏場所で初土俵を踏み、19年春場所で新十両昇進。20年初場所で新入幕。優勝1回、技能賞3回、敢闘賞1回。得意は左四つ、寄り、投げ。186センチ、143キロ。血液型O。家族は両親、兄、妹。愛称は「ハグワ」。