2021年名古屋場所限りで引退した元関脇勢の春日山親方の引退相撲が4日、東京・両国国技館で行われた。断髪式には約250人が参加し、最後は師匠の伊勢ノ海親方(元前頭北勝鬨)が止めばさみを入れた。20年連れ添ったまげに別れを告げ、「土俵上で感極まりました。良い時も、悪い時も、悲しい時も、いろんな景色を一緒に見てきた。今までありがとうと感謝の気持ちです」と実感を込めた。

断髪式の後には家族ぐるみで交流がある友人で歌手の平原綾香が登場し、感謝の思いを込めて「誓い」「Jupiter」の2曲を披露。ライブさながらの熱量ある歌声が涙を誘い、春日山親方の現役時代と重ね合わせたファンをとりこにした。

元サッカー日本代表の槙野智章さんをイメージしたヘアスタイルに整髪し、同親方も「良い感じですね」と満足げに笑った。再び土俵上に姿を見せると、会場に集まった人たちに「愚直に相撲道をまい進することができました。常に大切にしてきたのはサムライのように切られても一歩一歩進んでいく強い気持ちを持つことです。私は私らしく、これからもぶれない信念で大相撲の発展に尽力いたします」と誓った。最後にはスペシャルゲストとして演歌歌手の山本譲二と3曲デュエットを披露し、館内を沸かせた。

◆春日山翔太(かすがやま・しょうた)。本名・東口(とぐち)翔太。1986年(昭61)10月11日、大阪・交野市生まれ。小4から武隈親方(元大関豪栄道)と同じ相撲道場に通う。05年春場所初土俵。11年九州場所新十両、12年春場所新入幕、14年九州場所新小結、16年夏場所新関脇。通算546勝545敗14休。金星5個、敢闘賞4回。得意は右四つ、寄り。趣味はカラオケ。

【関連記事】大相撲ニュース一覧>>