天国で見守る師匠に託されたバトンを受け継ぐ。大相撲の立田川改め錣山親方(元小結豊真将)が、年寄「錣山」襲名して錣山部屋の継承したことについて心境を明かした。26日までに日刊スポーツの取材に応じ「弟子たちをまとめるために、師匠の思いを受け継ぎ、今まで通りの錣山部屋として頑張っていきたい」と抱負を述べた。

幕内優勝経験のある阿炎らが在籍する同部屋は、昨年12月の先代錣山親方(元関脇寺尾)が死去し、1月の初場所は部屋付きだった立田川親方(=現・錣山親方)が師匠代行を務めた。今月23日の理事会で立田川親方の年寄錣山への名跡変更と錣山部屋の継承が承認され、春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)は正式に師匠として迎える。「師匠にはしっかり引き継ぐことができましたと、心の中で言いました」と明かした。

部屋付き親方から、部屋持ち親方への転身で役割も大きく変わる。自身は既に部屋に住み込み、自宅から通うおかみとの二人三脚で弟子たちを支える。「(おかみは)朝早くから来て、若い衆と一緒にご飯作ったり、生活面でいろいろしてくれています。夜遅くまでいてくれて大変ありがたい」と感謝。多忙な日々にも口ぶりには充実感が漂う。「部屋付き親方だった時にわからない苦労とかっていうのも今すごく身に染みました」と話した。

ずっと親しんできた立田川から錣山に名跡変更したことには「慣れないですね(笑)。錣山と紹介するのがまだ気恥ずかしい部分もありますけど、師匠だったら『これから部屋を引っ張ってガンバレ』と言ってくれると思う。部屋は家族。僕も師匠の言葉を反すうしながら、これからやっていきたい」と意気込みを述べた。【平山連】