AKB48小栗有以(20)が、ABC・テレビ朝日系のドラマ「恋に無駄口」(ABC=日曜午後11時55分、テレビ朝日=土曜深夜2時30分)で、グループ出演ドラマ以外の連ドラでは初のヒロイン役を演じている。王道学園ドラマ、学園ラブコメディーも、実は“初めて”。このほど取材に応じ「私にとっても初めてが詰まった作品。そんな私の初めてにも注目して」とアピールした。【聞き手=大友陽平】

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これまで「マジムリ学園」シリーズなど、AKB48メンバーが出演するドラマや舞台で演技経験はあったが、グループ外のドラマ出演は今回が初めてだ。

小栗 AKB以外のドラマに出てみたいという気持ちもありましたし、加入前から「花より男子」など学園ドラマや、少女漫画も見ていました。こういうヒロインがすてきだなとか理想もあったので、今回作品に選んでいただけたのは、素直にすごいうれしかったです!

「恋に無駄口」は、「覆面系ノイズ」などの福山リョウコ氏が手掛ける人気コミックが原作の学園ラブコメディー。不器用で、ちょっとクセのある漫画部員の叶依麻(かのう・えま)を演じる。主演の奥野壮(21)演じる主人公・仁科と反発しながらもひかれあっていく2人の恋物語も見どころだ。

小栗 依麻は漫画がすごく好きで、賞も取りたいほど“漫画一筋”です。そして恋愛経験がなくて、男の子にも興味が最初はないのですが、そこで仁科くんと出会って、気持ちがどんどん変わっていきます。演じてみて、かわいいなとか、自分がその経験がない分、「高校生ってこんな気持ちで、こんな風にキュンキュンしてるんだ!」って(笑い)。演じながら、改めて高校生に戻っています。

これまでの演技経験では、“クセが強い”役柄が多かった。

小栗 ドラマ「マジムリ学園」(18年)では謎の転校生役で、パンチやキックもありましたし、舞台「仁義なき戦い~彼女(おんな)たちの死闘編~」(19年)は男役でした。チーム8の舞台でもホタル役だったので、普通の高校生役はやったことがなかったので、ナチュラルな感じの高校生というのが逆に難しくて…。そこはすごくいろんな作品を見て勉強しました。

今回の作品では、自身と依麻が似ている部分も多いという。

小栗 恋愛経験がないところは似ています! キュンキュンする場面は、依麻ちゃんにとっても初めてだし、自分も初めての経験なので、そこは演技しやすかったですし、ナチュラルさが出たんじゃないかな…と思います。あとは「ありがとうを大切にする」ところや、「食べ物を大切にする」ところは、共感できる部分がすごくあるので、そこは演技しやすいです。

仁科をはじめ、マヤ(水沢林太郎)、シロ(小西詠斗)、葵(藤岡真威人)と通称「無駄部」の男子4人に囲まれる設定。第1話でも、仁科と激突し、食パンを顔面に受け、覆いかぶさられるというシーンも話題になったが、ファンもドキドキの展開が予想される。

小栗 食パンのシーンは予告編にもあって、いろいろなコメントがありました…。確かにずっとアイドルとして活動してきて、なかなか男の子と撮影してるところって、ファンの人は見たことないと思うので…。ファンの方がどう思うのかなという心配もあったんですけど、活動して9年目になって、もちろんアイドルとして、AKBをもっと盛り上げていきたいのですが、そのために個人としても頑張らなきゃと思ってるので、今回もその第1歩だと思って気持ちを込めて臨んでいます。ファンの方にはドキドキさせちゃうかもしれませんが、小栗有以としてではなく、叶依麻として務めています。認めてもらえるようにという気持ちも込めて、頑張ってます。

監督らスタッフや共演者からも刺激を受け、撮影でも勉強の毎日だという。演じることの楽しさも実感している。

小栗 これまでも演じていて楽しいなと思ったんですけど、より深くドラマや演技の楽しさを知れているので、もっと演技の勉強をしたりとか、作品をいっぱい見て、本格的に挑戦していきたいですし、もっと自分の実力も上げていきたいです。AKBを卒業された方々も、川栄(李奈)さんが朝ドラでヒロインをやられていたり、女優として活躍されている先輩がたくさんいます。私もAKBとしてもっと知名度だったり、アイドルとしてももっと培っていきたいですし、個人としてもっともっと強めていきたいので、AKBのためにも自分のためにも、このドラマをきっかけにまたさらに飛躍できるように、最後まで頑張りたいと思います!

小栗にとっても、初ヒロイン役は、1つの節目になりそうだ。

小栗 このドラマは、「無駄部」の4人がすごく明るくて、世の中がちょっと暗い中でもすごくハッピーな気持ちになれて、くすっと笑えて、笑顔になれる部分がたくさんありますし、キュンキュンしたり、もどかしい気持ちになったり、いろいろな気持ちになれると思います。私にとっても“初めて”がたくさん詰まった作品になってるので、そんな私の初めてにもぜひ注目してほしいです!

 

◆小栗有以(おぐり・ゆい)2001年(平13)12月26日、東京都生まれ。愛称「ゆいゆい」。14年にAKB48チーム8オーディションに合格し、東京都代表として加入。現在はチームB兼任。16年にシングル「ハイテンション」で初選抜入りし、18年には「Teacher Teacher」でセンター。選抜総選挙は第6回(14年)から外→外→外→51→25位。15年にTBS系「劇場霊からの招待状」でドラマデビューし、18年の「マジムリ学園」では主演。21年4月からフジテレビ系「めざましテレビ」でイマドキガール。ファッション誌「CanCam」で連載などモデルとしても活動。今年1月に初の写真集「君と出逢った日から」発売。