AKB48柏木由紀(32)が、16日に卒業コンサート(横浜・ぴあアリーナMM)を行い、4月にグループを卒業する。

鹿児島の“アイドルオタク”だった少女が、07年4月にデビューし、国民的アイドルグループの中心メンバーとして第一線を走り続けて17年。このほど行われた取材で、あえて聞いてみた。柏木由紀にとって「アイドル」とは? 「AKB48」とは-?【聞き手=大友陽平】

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6000日を超えるAKB48としての活動も、ファイナルカウントダウンに入った。最新曲「カラコンウインク」(13日発売)では、最後にして、初の単独センターを務める。

「たくさん先輩がいて2~3秒しか映らない時に、いつもウインクしていて。AKBで、音楽番組でのウインクの“マルシー((C))”は私にあると勝手に思ってます(笑い)。最後に曲のタイトルにまでなって、うれしいです」

デビュー前から大のアイドル好きで“ハロプロオタク”。AKB48の一員となり、オタク目線も生かしたパフォーマンスや、ファン対応を武器に「握手会の女王」とも呼ばれ、前田敦子、大島優子ら「元祖神7」ではないところからはい上がってきた。そんな柏木にとって、アイドルとは“天職”だという。

「なってみて想像と違ったことありますか? ってめちゃ聞かれるけど、本当にないんです。コンサートとか握手会とか配信とか…全部楽しい。中学生の時点で、最適な仕事を見つけていたんだなと思います」

そして、柏木にとってAKB48とは“運命”だという。

「ハロプロのオーディションとか、地元のダンススクールのオーディションとか受けていて、たまたまAKBだけ受かって…。当時は秋葉原の劇場で3年くらい踊れればラッキー! みたいな感覚だったのが、32歳まで…(笑い)。他のアイドルだったらもしかしたら“定年”があったかもしれないです。AKBだったからこそ長く続いたし、純粋に楽しいと思えました。自分が選んで、そして選んでもらえて“運命”だったと思います」

グループアイドルとしての活動は一区切りとなるが、今後もマイクを握るつもりだ。昨年末、150人を超える「親衛隊」とステージを繰り広げたレジェンドからも刺激を受け、“天職”を全うする。

「NHK紅白歌合戦の伊藤蘭さんを見た時に、本当にすごいなって。アイドルを長く続けたらかっこいい! というのを見せていただきました。ちゃんとファンと向き合い続けていないと、あの感じにならないのはめちゃくちゃ分かるので…。アイドルを続けたいと思いましたし、なるべく続けられたらうれしいです。ファンの皆さん、グッズは取っておいてください!(笑い)」

◆柏木由紀(かしわぎ・ゆき)1991年(平3)7月15日、鹿児島県生まれ。愛称「ゆきりん」。07年4月にAKB48の3期生として加入。09年4月からTBS系「ひるおび!」内でお天気コーナーを担当。10年~15年、派生ユニット「フレンチ・キス」として活動。13年2月に「ショートケーキ」でソロデビュー。14年2月からNMB48、15年8月からNGT48の兼任も経験。シングル選抜は歴代最多の52回。選抜総選挙は第1回(09年)から9→8→3→3→3→4→3→2→5位(17~18年は不出馬)。血液型B。