カンヌ映画祭のマーケット会場でも北野武監督の「アウトレイジ」は注目されている。日本映画の情報を海外に発信するユニジャパンの「ジャパンブース」には、「アウトレイジ」の大きなポスターが張られた。実際の国際セールスは仏の会社が請け負うが、連絡先の問い合わせが相次いでいる。中には「(映画祭で)どうしても見たい。上映チケットはあるか」と聞かれることもあるという。もちろん、プレイガイドではないので、取り扱いはしていない。

 日本映画は、ホラーやアクション、アニメが原作の作品が人気で、ユニジャパンの征矢あづささんによると、嵐の二宮和也、松山ケンイチ主演「GANTZ」(来年公開)や、仲里依紗主演の「時をかける少女」(英語題「タイムトラベラー」)への問い合わせが多いという。

 また、東宝のブースでは、松たか子主演で「告白」(中島哲也監督、6月5日公開)が人気。マーケット関係者向けの試写はどの回も満席で、終了するとすぐに買い付け交渉に入ることもあるという。すでに北米、ヨーロッパ、アジアの計4つの映画祭から出品要請があった。(カンヌ=小林千穂)