今月12日に開催されたNFLの王者を決めるスーパーボウルのハーフタイムショーで見事な空中パフォーマンスを披露したリアーナ。真っ赤なジャンプスーツで登場し、ふっくらしたおなかを披露して第2子の妊娠をサプライズ発表したことでも話題になりました。

全米で1億人以上が視聴するスーパーボウルのハーフタイムショーといえば、大物アーティストの出演で毎年注目を集める一大イベント。そんなショーにふさわしく、透明のプラットフォームに乗って上空から登場したリアーナは、「Bitch Better Have My Money」を皮切りに「Umbrella」「Diamonds」など自身のヒット曲を次々と披露。13分間にわたる圧巻のパフォーマンスで8万人の観衆を釘付けにしました。

しかし、そんなリアーナのステージを見た一部視聴者から「卑猥すぎる」と苦情が寄せられていたことが伝えられています。ロサンゼルス・タイムズ紙によると、米国の放送事業を監督する連邦通信委員会(FCC)に100件を超える苦情があり、その多くが「パフォーマンスが過度に性的」だと主張するものだったといいます。妊娠中のリアーナ本人は激しいダンスはほぼしておらず、届いた苦情のほとんどがバックダンサーダンスの振り付けに関するものでした。さらに、披露された楽曲のうち4曲が性に関するものだったとする主張もあり、家族向けのイベントにはふさわしくないとの抗議もあり、品位の低下を嘆く人もいたとのこと。

7年ぶりのステージ復帰が「まるでポルノのよう」だとクレームされてしまったリアーナですが、過去にもハーフタイムショーのパフォーマンスが炎上したアーティストたちがいます。歴史に残る3大ワーストパフォーマンスを振り返ってみました。

ジャネット・ジャクソン(2008年4月撮影)
ジャネット・ジャクソン(2008年4月撮影)

ジャネット・ジャクソン&ジャスティン・ティンバーレイク

スーパーボウル史上最悪のハプニングといえば真っ先に思い出されるのが、2004年のジャネット・ジャクソンとジャスティン・ティンバーレイクのコラボパフォーマンスでしょう。ティンバーレイクがジャクソンの衣装を脱がせようとしたところ、インナーまで外れてまさかの胸ポロ事件に発展。テレビの生中継でバストを露出させたジャクソンには批判が殺到。謝罪したもののエンタメ界から干され、その後はキャリアの低迷に苦しんだことで知られます。

マドンナ(ロイター)
マドンナ(ロイター)

マドンナ&M.I.A.

12年のハーフタイムショーに登場したマドンナのパフォーマンスに客演したM.I.A.が、カメラに向かって中指を突き立てた騒動は、裁判沙汰に発展しました。FCCには200件を超える苦情が殺到し、生放送中のNGパフォーマンスにNFLと放送したNBCは謝罪を余儀なくされ、M.I.A.はNFLから損害賠償を求める訴えを起こされました。両者は後に和解したと報じられていますが、この年は昨今のSNSでの過激なパフォーマンスで物議を醸す主役マドンナ本人ではなく、まさかの客演によるパフォーマンスが炎上という珍しい出来事として人々の記憶に残っています。

ブリトニー・スピアーズ(2003年12月撮影)
ブリトニー・スピアーズ(2003年12月撮影)

ブリトニー・スピアーズ&エアロスミス&インシンク&メアリー・J・ブライジ

01年のハーフタイムショーは、人気絶頂のブリトニー・スピアーズに男性アイドルグループのインシンク、ロック界の伝説ともいわれるバンド、エアロスミス、ヒップホップ・ソウル界の女王メアリー・J・ブライジという、豪華アーティストが集結。夢の共演となるはずでしたが、ステージ上は完全に混乱したカオス状態で、ごちゃ混ぜ感漂うパフォーマンスに「ピザにバーガーにチキンウィングにタコスを全部混ぜたみたいでおなかいっぱい」と批判が殺到。豪華メンバーをそろえながら、まさかの不評を買う結果となってしまいました。ちなみに当時、スピアーズはインシンクのメンバー、ティンバーレイクと交際していたことから2人の共演にも注目が集まっていました。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)