今年の歌ネタ王決定戦で準優勝だった「ダブルヒガシ」は、高校時代からの親友コンビ。大東翔生(28)東良介(29)は、今年末のM-1グランプリ2021でも初の決勝進出をねらう。M-1では、今年も「1つめの壁」3回戦を突破。大会で最も厚いと言われる「準々決勝の壁」に、毎年阻まれてきたが、今年こそ越える-。

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「漫才で頑張っていこうと言っていて、今年はいけると思います」

2人は声をそろえた。今年はABCお笑いグランプリでも決勝へ進み、歌ネタ王は準優勝。東は「前までツッコミでしたが、今はボケもやりだして、今楽しいです。自由にやれて。ノリノリですね」と、好感触を得る。大東も「ネタのテイストを変えたというのもありますけど、(M-1決勝には)行ける気がしますね」と手応えがある。

ネタは大東が2時間ほどかけて作る。その大東は「3、4回ほどネタ合わせをしたら、舞台でやりますね」と話す。旧知の同級生コンビならではの呼吸だ。

高校時代、共通の知人を通じて会ったのが初対面だった。東は「最初は怖かった…」。元ボクサーを父に持つ大東の迫力に押されたと振り返るが、突然知人から「おもしろいことやって」と振られ、間髪入れずに「ネコのしっぽ」と口にした大東。言葉の意味、内容よりもそれを口にしたタイミング、センス、会話の間に、東は魅了された。

高校卒業後、別々の道へ進んだが、大学留年が決まり、将来を再考した大東が東を誘いコンビを組んだ。「(初対面の)あのとき、とりこにしたのは分かりましたね」と笑う大東。これに東もにっこり笑った。

将来も「劇場での漫才」を大事にしたい思いは強いが、2人は「そろそろ、ちょっといっぱい(笑い)テレビに出たいですね」。M-1でまずは決勝へ進み、そして頂点へ-。そこを足がかりにテレビ進出のプランを目標に描いている。【取材・村上久美子】

◇11月6日に大阪・道頓堀ZAZAで「Style」を行う。ダブルヒガシのほか、たくろう、爛々が出演。開演は午後8時。

◆大東翔生(おおひがし・しょうい)1993年(平5)1月16日、大阪市生まれ。趣味はテレビゲーム、特技はボクシング。父は元ボクサー大東旭(世界5位)。身長174センチ、体重84キロ。血液型A。

◆東良介(ひがし・りょうすけ)92年8月25日、大阪市生まれ。趣味はサッカー観戦など、特技はドリカムを原曲キーで歌える。身長183センチ、体重85キロ。血液型B。