月刊「ミュージカル」最新号で、2017年に上演されたミュージカル作品のベスト10などが発表されました。演劇評論家、演劇担当記者など24人による投票で選出されたもので、私も参加しました。

 ちなみに初演作品は<1>ビリー・エリオット<2>パレード<3>All for One<4>ビューティフル<5>にんじん<6>神々の土地<7>グレート・ギャツビー<8>紳士のための愛と殺人の手引き<9>ビッグ・フィッシュ<10>キューティ・ブロンドの順でした。

 俳優のベスト10は、男優が<1>石丸幹二<2>市村正親<3>井上芳雄<4>ビリー役の5人の子役たち<5>山本耕史<6>川平慈英<7>中川晃教<8>吉原光夫<9>田代万里生<10>加藤和樹、小池徹平、屋良朝幸、女優は<1>浜田めぐみ<2>大竹しのぶ<3>島田歌穂<4>神田沙也加<5>平原綾香<6>珠城りょう<7>花總まり<8>早霧せいな<9>北翔海莉<10>鳳蘭の順でした。

ミュージカル「パレード」の制作発表記者会見で、ミュージカルナンバーを披露する石丸幹二(左)と堀内敬子(2017年4月16日撮影)
ミュージカル「パレード」の制作発表記者会見で、ミュージカルナンバーを披露する石丸幹二(左)と堀内敬子(2017年4月16日撮影)

 私は初演作品で1位「パレード」2位「ビリー・エリオット」3位「ソング&ダンス」とし、男優では1位石丸、2位ビリー役の5人の子役たち、3位吉原光夫、女優は1位大竹、2位花總、3位森彩香としました。ちなみに再演作品は1位「レ・ミゼラブル」2位「オペラ座の怪人」3位「きらめく星座」でした。

 「パレード」は南北戦争後の南部を舞台にした作品で、ラストは衝撃的でした。主演したのは石丸でしたが、役者として一皮むけて、役の幅が広がっていることを実証した熱演でした。大竹も38年前に見た初演と変わりない14歳の少年の姿に、演じることのすごみを感じました。「ビリー・エリオット」は日本の子役たちが1年におよぶレッスンを経て、すばらしい演技をみせてくれたことに驚きました。「レ・ミゼラブル」も何十回と見ていますが、感動はいつも上書きされます。女優で3位とした森は音楽座「リトルプリンス」で王子役でしたが、ピュアな歌声にほれ込みました。

 宝塚歌劇は初演作品の10位以内に3本、女優ベスト10ではOGが5人も入りました。劇団四季は初演作品は「ソング&ダンス」が11位に入っているだけですが、再演作品で「オペラ座の怪人」が8位、男優・女優のベスト10に出身者が4人も顔を並べました。近年、数多くの舞台を制作しているホリプロは「ビリー・エリオット」をはじめ「パレード」「紳士のための愛と殺人の手引き」の3本がベスト10入りするなど、東宝、松竹に続く、日本を代表する興行カンパニーの一角を占めています。【林尚之】

ミュージカル「ビリー・エリオット」製作発表会見でダンスを披露する子役たち。奥は柚希礼音(2017年7月21日撮影)
ミュージカル「ビリー・エリオット」製作発表会見でダンスを披露する子役たち。奥は柚希礼音(2017年7月21日撮影)