1月早々の11日に観劇する予定だった2つの舞台がコロナ禍で中止となってしまった。東京宝塚劇場の宝塚歌劇団星組公演と、帝国劇場のHiHi Jets、美 少年、少年忍者らが出演する「ジャニーズ・ワールドネクストステージ」だった。

宝塚歌劇団公演は観劇予定の1週間前から中止となっていたが、「ジャニーズ・ワールド」は当日昼の部の0時半の開演直前に中止が決まった。私が見る予定だったのは17時半開演の夜の部で、正午過ぎの時点ではやるかどうか未定だった。午後1時から他の舞台を見ていて、休憩時間中にネットを見ると、昼の部に続いて夜の部も中止というニュースが流れていた。

開演時間である17時半の30分ほど前に帝劇に立ち寄ってみると、ファンの女性たちが正面玄関前に順序良く並んで、大きな看板の写真を撮っていた。この公演を見るために地方から来るファンも多く、SNSでは「東京に向かう新幹線の中で泣くハメになった」「直前の中止は辛すぎる」などと悲鳴の声が上がっていただけに、少しは混乱しているかもと思ったけれど、あまりに整然としているので拍子抜けした。結局、14日昼の部まで中止が続いた。公演のチケットは全日完売しているため、他日に振替もできないから、多くのファンが楽しみにしていた舞台を見られなかったことになる。

「ジャニーズ・ワールド」は2012年のスタートから欠かさず見ていて、ジャニーズの新しいグループをじかに見る貴重な機会となっていた。今回は東山紀之、堂本光一、井ノ原快彦が演出を担当すると聞いていたので、どんな舞台になるかを楽しみにしていた。若い女性だけでなく、おじさん記者も中止には落胆した1人です。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)